【再生医療】変更申請の対象・手続き・費用について

再生医療を導入済みの医療機関において、次のような変化はありませんか。

・個人開業から法人化したい
・院長が変更となった
・医師を追加・退職した
・PRPキットを変更・追加したい
・細胞培養委託施設を変更・追加したい

これらは単なる「内部変更」ではありません。

再生医療は、厚生労働省が所管する「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療安全性確保法)」に基づく制度であり、変更内容によっては事前の変更申請、さらには新規申請が必要になります。

特に「法人化」は、実務上もっとも誤解が多いポイントです。

本記事では、厚労省および認定再生医療等委員会の公開情報を踏まえ、変更申請の対象・手続き・費用・注意点を整理いたします。

目次

再生医療における変更管理の基本

再生医療は「導入時の申請」で終わる制度ではありません。
提供開始後も、提供計画に記載した内容を維持・管理することが法律上求められています。

再生医療等提供計画の内容を変更する場合、厚生労働省および各地方厚生局の整理では、大きく以下の2区分に分かれます。

① 重要変更(審査必要)

安全性や有効性に影響を及ぼす可能性がある変更は、事前に委員会の審査を受けなければなりません。

【重要変更の例】
・再生医療等の提供方法の変更
・特定細胞加工物の製造方法・品質管理方法の変更
・細胞加工物の投与方法変更
・提供医師の変更
・特定細胞加工物製造事業者の変更

【手続き概要】
・様式第2による届出
・認定再生医療等委員会の意見聴取が必要(審査が必要)
・原則「事前」に手続き

② 軽微変更(審査不要)

軽微変更とは「再生医療等の安全性に影響を与えないもの」です。

【軽微変更の例】
・医療機関の電話番号変更
・担当部署の名称変更
・書式上の誤記修正
・代表者の住所変更
・法人における管理者の変更

【手続き概要】
・様式第3による届出
・変更日から10日以内に届出
・委員会への通知が必要(審査不要)

実務では、この「重要変更」と「軽微変更」の判断が最も難しいポイントになります。

参考:
近畿厚生局 再生医療等提供計画の変更手続き
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iji/saisei/saisei_top_00005.html

参考:
東海北陸厚生局 FAQ
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iji/saiseiiryou_yokuarusitumon.html


法人化する場合の手続き(最重要)

法人化は、再生医療実務において最も誤解が多い論点です。

単なる代表者変更ではなく、「開設者の変更」に該当するため、手続きは大きく変わります。

法人化=新規申請が必要になる理由

個人開設から法人化する場合、

・開設者が変更
・医療機関の法的主体が変更

となります。

厚生局の整理では、

医療機関を一旦廃止し、新規開設扱いとなる場合は
中止届・終了届・定期報告(未報告期間分)および新規の再生医療等提供計画の提出が必要

と明記されています。

つまり、

✔ 個人院の提供計画は廃止
✔ 新法人で新規の再生医療等提供計画を提出
✔ 認定再生医療等委員会で再審査

が必要になります。

単なる変更申請ではありませんので注意が必要です。

個人院の中止・廃止届

法人化時には、

・中止届
・終了届
・実施状況の最終報告
・廃止までの定期報告(未報告期間分)

が必要です。

これを怠ると、後日行政からの指摘を受ける可能性があります。

過去のお問合せで、法人化した後に、申請が別途必要であったことに気づかれた医療機関のサポートをさせて頂いたことがあります。万が一、そのような場合は急ぎご相談下さい。


変更申請が必要となる主なケース(重要変更)

厚生労働省の整理では、「再生医療等の安全性に影響を与える変更」が重要変更に該当します。

制度概要:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061631.html

例:

・再生医療等の提供方法の変更
・特定細胞加工物の製造方法・品質管理方法の変更
・細胞加工物の投与方法変更
・提供医師の変更
・特定細胞加工物製造事業者の変更

PRPキット変更・追加

PRPキットの変更は、

・採血量
・遠心条件
・濃縮率
・投与量

が異なる場合、治療内容の変更とみなされる可能性があります。

そのため、委員会再審査対象になるケースが一般的です。

例:①A社のPRPキットを利用しているが、B社のキットも追加したい。
  ②A社のPRPキットの利用をやめて、B社のキットに切り替えたい

細胞培養施設変更

外部培養委託先の変更や追加の場合、

・GMP体制
・品質管理体制
・契約書類

の変更申請が必要になります。

なお、培養施設によっては新規申請が必要となるケースがありますので、注意が必要です。

例:A社の培養施設を利用しているが、メンテナンス期間などがあり使えない期間があるため、B社の培養施設を追加したい等

医師変更

再生医療を提供する医師が変更・追加される場合、

・経歴書
・研修歴
・実施責任体制

の変更申請が必要です。

医師が退職されるなどの場合で、実施責任者ではなく、数名いる医師の内の1人で、再生医療の提供や申請内容上、特段問題無い場合は、軽微の変更申請で対応可能な場合があります。


軽微変更(変更日から10日以内届出)の具体例

軽微変更とは「再生医療等の安全性に影響を与えないもの」です。

例:

・医療機関の電話番号変更
・担当部署の名称変更
・書式上の誤記修正
・代表者の住所変更

ただし、判断に迷うケースも多いため、事前に厚労省等への確認が重要です。


変更申請の手続きの流れ

1.変更内容整理
2.委員会事前相談
3.必要書類作成(数十ページ規模になることも)
4.認定再生医療等委員会での審査
5.地方厚生局へ様式提出
6.受理確認

審査期間は1〜2か月程度が一般的です。


変更申請にかかる費用

変更内容によりますが、目安は以下の通りです。

● 委員会審査費用
10〜30万円程度

● 申請サポート費用
20〜50万円程度

● 合計目安
30〜80万円前後

法人化の場合は新規申請扱いとなるため、さらに費用が発生します。


よくあるトラブルと実務上の注意点

① サポート業者が変更対応不可
変更申請は応用的な対応が必要であるため、新規申請のみ対応という業者も存在します。
また、新規申請でお世話になった業者が高額な費用を請求することもあります。ご注意下さい。

② 変更判断ミス
軽微変更と誤認 → 指導対象となる可能性もあります。

③ 費用が想定よりかかってしまう
重要な変更事項の場合は審査が必要なため、審査費用が余計にかかってしまいます。
また、医療機関側での申請書の作成も困難なケースが多い為、申請サポート料もかかるケースがほとんどです。

変更管理は後回しにされがちですが、行政リスクに直結する重要事項ですので、怠らないようご注意下さい。


まとめ

再生医療の変更管理は、

・法人化は新規申請扱い
・医師・キット・培養委託先の変更等は重要変更
・軽微変更は10日以内届出

という整理が基本です。

しかし、実務では判断が難しいケースが多く、書類量も膨大になります。

院長・事務長が通常業務と並行して行うには相応の負担がかかります。

お気軽にご相談下さい。


FAQ

Q1:法人化したら必ず新規申請ですか?
原則、新規の再生医療等提供計画提出が必要です。申請方法を誤ると非常に煩雑な手続きとなります。
一度ご相談下さい。

Q2:変更申請を忘れていた。どうすれば良いでしょうか。
申請を失念していた等のご相談を良く頂きます。厚労省などへの丁寧な対応が必要となります。
既に数件経験しておりますので、お気軽にご相談下さい。

Q3:変更申請中は治療継続できますか?
申請内容により異なりますので、事前確認が必要です。ご相談下さい。


無料相談のご案内

再生医療の変更申請は、
「知らなかった」では済まない行政手続きです。

・法人化を検討している
・医師追加予定がある
・キット変更を考えている

そのタイミングで、一度整理してみませんか。

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ブログ一覧もぜひご参照ください。
https://prp-stemsell-support-center.com/blog/

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泉山秀和
再生医療導入コンサルタント
再生医療導入の専門コンサルタントとして、PRP療法・幹細胞治療・免疫細胞療法など、全国で延べ150件以上の申請サポートに携わり、医療機関の皆様をご支援しております。
新たな治療法の導入にも全力で取り組んでおり、難易度の高い案件ほど、当センターの幅を広げる好機と考えております。
ぜひご相談ください。
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