再生医療等提供計画とは?PRP・幹細胞治療導入時の作成・審査・届出の流れ

再生医療等提供計画について調べている院長先生や事務長の方は、PRP療法や幹細胞治療を導入するにあたり、どの書類を作成し、どの認定再生医療等委員会で審査を受け、地方厚生局へどのように届出を行えばよいのか、分かりにくいと感じているかもしれません。
再生医療等提供計画の作成では、様式の確認、第一種・第二種・第三種の区分、認定再生医療等委員会での審査、変更届や軽微変更、インフォームドコンセント、定期報告まで、実務上のポイントを一つずつ整理して進める必要があります。
私は、再生医療コンサルタント・PRP導入支援専門家として、クリニックがPRP療法や幹細胞治療を導入する際の手続き、資料作成、運用設計を支援しています。
この記事では、再生医療等提供計画でつまずきやすいポイントを、初めて確認する院長先生や事務長・ご担当者にも分かるように整理します。
- 再生医療等提供計画の基本的な意味
- 第一種・第二種・第三種の区分
- 作成・審査・届出・変更手続きの流れ
- 罰則や同意取得で注意すべき点
再生医療等提供計画の基本
まずは、再生医療等提供計画とは何か、誰が作成するのか、どのような治療で必要になるのかを整理します。ここを曖昧にしたまま進めると、様式作成や委員会審査の段階で手戻りが起きやすくなります。
再生医療等提供計画とは

再生医療等提供計画とは、医療機関が再生医療等を提供する際に、治療内容、安全管理体制、使用する細胞、加工方法、患者への説明、緊急時対応などをまとめた正式な計画書です。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づき、再生医療等を提供しようとする病院または診療所の管理者が作成し、あらかじめ認定再生医療等委員会または特定認定再生医療等委員会の意見を聴いたうえで、所管の地方厚生局へ提出します。
再生医療等提供計画は、単なる届出書ではありません。治療を安全に提供するための設計図であり、審査委員会や行政が治療内容の妥当性を確認するための重要資料です。
PRP療法や幹細胞治療のように、患者自身の細胞や血液由来成分を利用する治療では、自由診療であっても再生医療等安全性確保法の対象になるケースがあります。特に美容、整形外科、皮膚科、歯科、婦人科領域などで再生医療メニューを導入する場合は、提供前に制度上の位置づけを確認することが重要です。
一方で、すべての医療行為が再生医療等提供計画の対象になるわけではありません。承認済みの再生医療等製品や薬機法上の治験など、別制度で扱われるものもあります。対象かどうかの判断は治療内容、使用する細胞、加工方法、投与目的によって変わるため、最終的な判断は専門家にご相談ください。
- 提供しようとする再生医療等の名称
- 第一種・第二種・第三種のリスク区分
- 対象疾患や治療目的
- 使用する細胞や特定細胞加工物の情報
- 採取、加工、保管、投与の手順
- 実施医師や責任者の体制
- インフォームドコンセントの方法
- 健康被害や疾病等発生時の対応
- 認定再生医療等委員会の審査結果
このように、再生医療等提供計画は治療の概要だけでなく、院内体制やリスク対応まで含めて作り込む必要があります。形式を埋めるだけでなく、実際に運用できる内容にすることが大切です。
再生医療等提供計画の作成で整理すべきこと
再生医療の提供計画を作成する際は、最初に治療の内容を明確にする必要があります。たとえばPRP療法であれば、対象疾患、採血量、遠心分離の方法、投与部位、投与回数、使用するキットや機器、施術後のフォロー方法などを具体化します。
作成の出発点は、提供しようとしている治療が再生医療等安全性確保法上のどの区分に該当するかを確認することです。分類が変わると、審査を依頼する委員会の種類、提出先、必要な体制、提供開始までの流れが変わります。
実務では、先に治療メニューだけを決めてから計画書を作ろうとすると、途中で使用キット、細胞加工施設、説明同意文書、院内手順書との整合性が取れなくなることがあります。導入初期から、治療設計と申請資料を同時に整理するのがおすすめです。
再生医療の提供計画作成では、厚生労働省が示す様式に沿って、治療の概要を簡潔に記載します。ただし、添付資料に詳しく書いたからといって、様式本体の記載を省略することは避けるべきです。様式だけを見ても、どのような再生医療を、誰に、どのような体制で提供するのかが分かる状態にする必要があります。
人員体制と緊急時対応も先に整理する
再生医療等提供計画では、治療内容だけでなく、誰が管理者となり、誰が実施責任者・実施医師として関わるのかも整理する必要があります。院長先生が管理者となる場合でも、実際の運用では医師、看護師、事務担当者、外部の細胞加工施設など複数の関係者が関わるため、役割分担を明確にしておくことが重要です。
また、PRP療法や幹細胞治療では、採血・組織採取、加工、投与、経過観察の各段階でトラブルが起きる可能性があります。副作用や合併症、疾病等が発生した場合に、誰が初期対応を行い、どの医療機関と連携し、どのように記録・報告するのかを事前に決めておく必要があります。
人員体制や緊急時対応が曖昧なままだと、委員会審査で追加確認を求められるだけでなく、提供開始後の運用にも影響します。計画書を作成する段階で、実際に院内で動ける体制になっているかを確認しておきましょう。
細胞の採取・加工・品質管理の流れを明確にする
PRP療法や幹細胞治療では、使用する細胞や血液由来成分をどのように採取し、どのように加工・保管し、どのタイミングで投与するのかを具体的に整理する必要があります。採取部位、採取量、採取方法、使用するキットや機器、加工条件、保管方法などが曖昧なままだと、委員会審査で安全性や再現性を確認しにくくなります。
外部の細胞加工施設へ委託する場合は、委託先の情報、役割分担、搬送方法、品質管理、記録の管理方法も確認しておくことが重要です。計画書に記載した採取・加工・投与の流れと、実際の院内運用や委託先の手順が一致しているかを、作成段階で確認しておきましょう。
特に、使用キットや遠心条件、細胞加工の委託先を後から変更する場合は、提供計画の変更手続きが必要になる可能性があるため、導入時点で運用に無理がない内容にしておくことが大切です。
- 治療概要書
- 提供計画書
- 説明文書・同意書
- 医師の履歴書や資格情報
- 使用するキットや機器の資料
- 細胞加工に関する手順書
- 緊急時対応フロー
- 健康被害補償に関する資料
- 参考文献や安全性に関する資料
特にPRPや幹細胞治療では、医学的な説明と法令上の説明が混在しやすくなります。患者向けの説明文書は分かりやすさが重要ですが、委員会審査用の資料では安全性、妥当性、手順の再現性が求められます。
再生医療の提供計画は、治療内容を魅力的に見せるための営業資料ではなく、安全に提供するための管理資料です。この前提を外さずに作成することが、審査対応でも運用面でも非常に重要です。
第一種・第二種・第三種の区分

出典:e-再生医療「関係法令・通知等」、厚生労働省「再生医療・遺伝子治療等について」を参考に作成
再生医療等提供計画では、治療内容のリスクに応じて第一種・第二種・第三種に区分されます。区分によって、審査を受ける委員会や提出後の流れが変わるため、導入前に確認しておくことが重要です。
第一種再生医療等提供計画の注意点
第一種の再生医療提供計画は、リスクが高いと位置づけられる再生医療等を対象とします。たとえば、人への実施例が極めて少ない技術や、未知のリスクが大きいと考えられる技術などが該当します。
第一種の場合、通常の低リスクなPRP療法などと比べて、審査や行政手続きが重くなります。特定認定再生医療等委員会による審査を受けたうえで、所管の地方厚生局へ提供計画を提出します。
また、第一種では提出後すぐに提供を開始できるわけではありません。厚生労働大臣による確認期間があり、必要がある場合には計画変更命令が出される可能性があります。一般的には、第一種は高度な研究性や安全管理体制が求められる領域と考えると分かりやすいです。
第一種の判断は慎重に行う必要があります。治療内容の新規性、使用する細胞の性質、加工の程度、投与方法などによってリスク評価が変わります。誤った区分で進めると、提供開始後の行政指導や重大な法令リスクにつながる可能性があります。
第一種に該当する可能性がある場合は、医療機関単独で判断せず、特定認定再生医療等委員会や再生医療に詳しい専門家へ早い段階で相談することをおすすめします。
第二種再生医療等提供計画の注意点
第二種の再生医療提供計画は、第一種ほど高リスクではないものの、一定のリスク管理が必要とされる再生医療等を対象とします。自己由来の細胞であっても、培養や加工の内容、投与方法、対象疾患によって第二種に該当することがあります。
第二種では、第一種と同様に特定認定再生医療等委員会による審査が必要になります。提出先は所管の地方厚生局となるケースが基本ですが、審査の中身は決して軽いものではありません。
第二種で重要になるのは、細胞の採取から加工、品質管理、輸送、投与、経過観察までの一連の流れを明確に示すことです。特定細胞加工物を外部の細胞加工施設に委託する場合は、委託先の情報、役割分担、品質管理体制も整理する必要があります。
- 治療の科学的妥当性
- 細胞加工施設の管理体制
- 投与方法とリスクの整合性
- 有害事象発生時の対応
- 実施医師の経験や体制
- 患者説明文書の十分性
第二種の再生医療提供計画では、治療の導入メリットだけでなく、想定されるリスクをどのように管理するのかを具体的に示すことが大切です。安全性の説明が曖昧なままだと、委員会審査で追加資料や修正を求められやすくなります。
第三種再生医療等提供計画の注意点
第三種の再生医療提供計画は、比較的リスクが低いとされる再生医療等を対象とします。クリニックで導入されるPRP療法の多くは、治療内容や加工方法によって第三種として扱われることがあります。
ただし、第三種だから簡単に始められるという意味ではありません。認定再生医療等委員会の審査を受け、所管の地方厚生局へ提供計画を提出する必要があります。第三種でも、同意説明文書、手順書、緊急時対応、定期報告などの運用は求められます。
第三種であっても、患者にとっては身体に関わる医療行為です。低リスクとされる分類であっても、ゼロリスクではありません。説明、記録、フォロー体制を整えて提供することが欠かせません。
PRP導入の相談を受ける中で多いのが、キットや機器を購入すればすぐに治療を始められるという誤解です。実際には、医療機関としての提供計画、委員会審査、行政提出、院内手順の整備が必要になります。
第三種の再生医療提供計画では、治療メニューの名称、対象疾患、PRPの調製方法、使用機器、投与部位、除外基準、副作用説明、施術後の観察方法などを実務に合わせて整理します。計画書と現場運用がずれていると、定期報告や監査対応で問題になる可能性があります。
再生医療等提供計画の様式と添付書類

再生医療の提供計画様式は、治療として行う場合には様式第1の2を使用します。研究として行う場合は別様式となるため、治療なのか研究なのかを最初に確認することが大切です。
様式には、申請者情報、提供しようとする再生医療等の内容、人員や設備、細胞の入手方法、特定細胞加工物の製造や品質管理、インフォームドコンセント、安全管理、委員会審査に関する項目などが含まれます。
e-再生医療で確認される主な入力項目

出典:e-再生医療「関係法令・通知等」を参考に作成
e-再生医療では、再生医療等の名称や対象疾患だけでなく、実施体制、細胞の入手方法、加工・品質管理、説明同意、安全管理、委員会審査に関する情報まで入力・整理します。
そのため、様式を埋める前に、説明文書、同意書、手順書、使用機器の資料、細胞加工に関する資料などをそろえ、提供計画の内容と矛盾がないか確認しておくことが重要です。
添付書類として準備する代表的な資料
再生医療等提供計画では、様式本体だけでなく、治療内容や安全管理体制を裏付ける添付書類も重要です。必要な書類は治療内容やリスク区分、外部委託の有無によって変わりますが、実務では以下のような資料を整理しておくことが多くあります。
- 認定再生医療等委員会の意見書
- 再生医療等の詳細を説明する資料
- 実施医師・歯科医師の略歴や資格情報
- 患者向けの説明文書・同意書
- 細胞提供者向けの説明文書・同意書
- 国内外の実施状況や参考文献に関する資料
- 使用するキット、機器、材料に関する資料
- 特定細胞加工物の概要や標準書に関する資料
- 細胞加工施設の衛生管理・製造管理・品質管理に関する資料
- 外部委託がある場合の委託契約や役割分担に関する資料
添付書類は、数をそろえることよりも、提供計画書の内容と矛盾がないことが重要です。治療名、対象疾患、使用する細胞、加工方法、投与方法、説明内容などが資料ごとにずれていると、委員会審査で確認や修正を求められる可能性があります。
なお、令和7年5月31日より再生医療等安全性確保法の改正法が施行され、再生医療等提供計画の申請内容にも変更が生じています。正確な様式や最新の記載要領は改訂される可能性があるため、実際に作成する際は、e-再生医療や厚生労働省の公式情報を確認してください。
再生医療等提供計画の手続き
ここからは、再生医療等提供計画を作成した後の審査、提出、変更、報告、罰則、患者説明について解説します。計画は提出して終わりではなく、提供開始後の運用まで含めて管理する必要があります。
再生医療等提供計画を提出するまでの流れ

出典:e-再生医療「法令等データ集」掲載資料を参考に作成
再生医療等提供計画を提出するまでの流れは、次のように整理できます。
- 治療内容を整理し、対象疾患、使用細胞、投与方法を明確にする
- 第一種・第二種・第三種のリスク区分を確認する
- 提供計画書、説明文書、同意書、添付資料を準備する
- 認定再生医療等委員会で審査を受ける
- 委員会の意見書を取得し、e-再生医療で所管の地方厚生局へ提出する
- 受理後も、記録管理、変更届、定期報告を継続して行う
実務では、委員会審査の修正対応や添付資料の追加確認が発生することもあるため、治療開始予定日から逆算して余裕を持って準備することが大切です。
再生医療等提供計画の審査で見られるポイント

出典:e-再生医療「関係法令・通知等」を参考に作成
再生医療等提供計画は、行政へ提出する前に、認定再生医療等委員会または特定認定再生医療等委員会の審査を受ける必要があります。審査では、再生医療等提供基準に適合しているか、治療内容に科学的・安全性上の妥当性があるか、患者保護の仕組みが整っているかが確認されます。
審査では、計画書の形式だけでなく、添付資料や院内体制も見られます。特にPRP療法や幹細胞治療では、使用するキット、加工方法、投与方法、対象疾患、除外基準、患者説明の内容が重要です。
- リスク区分の判断が妥当か
- 対象疾患と治療目的が明確か
- 使用する細胞や加工方法が具体的か
- 安全管理体制や緊急時対応が整っているか
- 説明文書と同意書が十分か
- 参考文献や根拠資料が不足していないか
安全性・妥当性を説明できる資料を用意する
再生医療等提供計画の審査では、治療を導入したい理由だけでなく、その治療を患者に提供することが安全性・妥当性の面から説明できるかも確認されます。PRP療法や幹細胞治療では、対象疾患、使用する細胞、加工方法、投与方法、想定される副作用などを踏まえて、治療の利益と不利益を整理することが重要です。
参考文献、国内外での実施状況、使用するキットや機器の資料、細胞加工に関する資料などは、単に添付するだけでは不十分です。自院で提供する治療内容とどのように関係するのか、投与可否の判断や治療後の経過観察、疾病等発生時の報告体制まで含めて説明できる状態にしておきましょう。
審査期間は委員会の開催頻度、修正の有無、資料の完成度によって変わります。数値で示される期間はあくまで一般的な目安であり、短期間で必ず完了するものではありません。
実務上は、委員会に初回提出してから修正依頼が入り、再提出や追加説明を行うケースもあります。そのため、開業日や治療メニュー公開日から逆算し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
審査をスムーズに進めるには、治療内容、説明文書、手順書、同意書、様式の表現をそろえることが重要です。資料ごとに記載が違うと、委員会側は安全性や運用の一貫性を判断しにくくなります。
再生医療等提供計画で差し戻しが起きやすいポイント

当センターの支援実務をもとに作成
再生医療等提供計画では、様式を作成して提出すればそのまま審査が進むとは限りません。記載内容の不一致や添付資料の不足、リスク区分の判断違いなどがあると、認定再生医療等委員会で修正や追加資料を求められることがあります。
- 提供計画書、説明文書、同意書、手順書で治療名や対象疾患の表現がそろっていない
- 使用する細胞、採取方法、加工方法、投与方法の記載が具体的でない
- 第一種・第二種・第三種のリスク区分と治療内容の整合性が不十分
- 使用するキット、機器、細胞加工施設、委託先に関する資料が不足している
- インフォームドコンセントの説明文書に、効果の限界、副作用、代替治療、費用などの記載が不足している
- 疾病等発生時の報告体制や緊急時対応フローが実際の院内体制と合っていない
- 参考文献や安全性・妥当性を説明する資料が不足している
- 委員会の意見書や審査結果の内容が、提出する計画書・添付資料と対応していない
差し戻しがあると、資料修正だけでなく、委員会への再提出や追加確認が必要になる場合があります。修正内容によってはスケジュール全体が後ろ倒しになるため、治療開始時期が決まっている場合は、審査前の段階で資料の整合性を確認し、余裕を持って準備することが大切です。
認定再生医療等委員会
認定再生医療等委員会は、再生医療等提供計画が法令や提供基準に適合しているかを審査する外部委員会です。第一種や第二種では特定認定再生医療等委員会、第三種では認定再生医療等委員会による審査が必要になります。
委員会は、医学、法律、生命倫理などの観点から、治療の安全性や患者保護の体制を確認します。医療機関側にとっては、単に通過すべき手続きではなく、再生医療を安全に運用するための第三者チェックと考えるべきです。
委員会によって、開催頻度、審査方法、必要書類、審査費用、修正対応の進め方が異なります。費用やスケジュールはあくまで一般的な目安として考え、具体的な条件は各委員会に確認してください。
認定再生医療等委員会を選ぶ際は、単に費用だけで判断しないことが大切です。自院の治療領域に理解があるか、PRPや幹細胞治療の審査実績があるか、質問への対応が明確か、審査後の定期報告や変更対応まで相談しやすいかを確認しましょう。
委員会の選び方や審査費用の目安については、(特定)認定再生医療等委員会の選定ポイントでも詳しく解説しています。
- 対象となるリスク区分に対応しているか
- 自院の治療領域に近い審査実績があるか
- 審査スケジュールが導入計画に合うか
- 必要書類が明確に示されているか
- 修正対応の流れが分かりやすいか
- 定期報告や変更届にも対応しやすいか
委員会審査を受ける前に、提供計画、説明文書、同意書、手順書の整合性を確認しておくと、修正の負担を抑えやすくなります。特に初めて再生医療を導入するクリニックでは、委員会に出す前の事前整理が成功の鍵になります。
再生医療等提供計画の変更手続き
再生医療の提供計画は、一度提出したら永久にそのまま使えるものではありません。治療内容、実施体制、使用機器、加工方法、責任者、説明文書などに変更が生じた場合は、変更手続きが必要になることがあります。
変更には、大きく分けて軽微ではない変更と軽微変更があります。安全性に影響する提供方法の変更、特定細胞加工物の製造や品質管理方法の変更、治療の実施方法に関わる重要な変更などは、事前に委員会審査を受けて変更申請を行う必要があります。
現場で先に運用を変えてから、後で書類を直すという進め方は危険です。変更内容によっては事前手続きが必要になるため、運用変更の前に確認してください。
たとえば、PRPキットを変更する、遠心条件を変える、対象疾患を追加する、投与部位や投与方法を変える、細胞加工の委託先を変更する、といったケースでは、計画変更が必要になる可能性があります。
変更申請が必要になるケースや手続きの詳細については、再生医療の変更申請の対象・手続きでも詳しく解説しています。
- 安全性に影響する変更か
- 治療対象や適応が変わるか
- 使用キットや機器が変わるか
- 細胞加工方法が変わるか
- 説明文書や同意書の修正が必要か
- 委員会審査が必要か
- 地方厚生局への届出が必要か
変更手続きでは、変更届書だけでなく、新旧対照表、変更後の資料、委員会意見書などが必要になる場合があります。変更内容によって必要書類が変わるため、事前に委員会や専門家へ確認することをおすすめします。
再生医療の提供計画は、作成時よりも運用中の管理が難しいことがあります。導入時点で、将来の変更を見越して資料管理のルールを作っておくと、後の対応がスムーズになります。
再生医療等提供計画に関する罰則
再生医療の提供計画を提出せずに再生医療等を実施した場合、法令に基づく罰則の対象になる可能性があります。罰則はリスク区分や違反内容によって異なりますが、未提出、虚偽記載、命令違反、報告義務違反などは重大な問題です。
特に第一種再生医療等では、提出後の待機期間や行政による確認が関わるため、手続きを誤ると大きなリスクになります。第二種や第三種であっても、提出義務を軽視してよいわけではありません。
罰則は金銭的な問題だけではありません。行政指導、提供制限、患者との信頼関係の低下、医療機関の評判への影響など、経営上のリスクにもつながります。
また、提出後も定期報告、疾病等報告、中止届、変更届などの義務があります。計画を提出して治療を開始した後に、実施件数が少ない、または実施件数がゼロであっても、報告が必要になる場合があります。
- 提供計画を提出せずに治療を始める
- 計画と異なる方法で治療を行う
- 変更手続きをせずにキットや方法を変える
- 定期報告を忘れる
- 疾病等発生時の報告を怠る
- 説明文書や同意書の管理が不十分
- 施術記録や加工記録を残していない
再生医療は、患者の期待が大きい分、医療機関側には慎重な説明と適切な管理が求められます。法令違反を避けるだけでなく、患者に安心して治療を受けてもらうためにも、計画書と実際の運用を一致させることが重要です。
法律や罰則に関わる判断は、個別事情によって変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、最終的な判断は専門家にご相談ください。
インフォームドコンセント

インフォームドコンセントは、再生医療等提供計画の中でも特に重要な項目です。再生医療では、患者が治療に対して大きな期待を持つ一方で、効果の個人差やリスクについて十分に理解しないまま申し込んでしまう可能性があります。
そのため、医師は治療内容、期待できる効果、限界、起こり得る副作用、代替治療、費用、治療後の注意点などを分かりやすく説明し、患者の自由意思に基づく同意を得る必要があります。
インフォームドコンセントは、同意書に署名をもらう作業ではありません。患者が納得して判断できるように、必要な情報を丁寧に伝えるプロセスです。
PRPや幹細胞治療では、広告や説明の表現にも注意が必要です。効果を保証するような表現、過度に期待をあおる表現、リスクを小さく見せる表現は避けるべきです。自由診療である場合は、費用負担や追加治療の可能性についても明確に説明する必要があります。

当センターの支援実務をもとに作成
- 治療の目的と内容
- 使用する細胞や成分
- 治療の流れ
- 期待される効果と限界
- 副作用や合併症の可能性
- 他の治療法との違い
- 費用と追加費用の可能性
- 治療を受けない選択肢
- 個人情報や記録の取り扱い
- 同意撤回の方法
説明文書は、専門用語を並べるだけでは不十分です。患者が読んで理解できる言葉で作成し、診察時にも口頭で補足する必要があります。医療機関側のリスク管理としても、説明した内容、患者からの質問、同意取得日、担当医師を記録しておくことが大切です。
再生医療の導入支援を行う中で、説明文書が治療メニューの紹介文のようになっているケースを見かけることがあります。しかし、説明文書は広告ではなく、患者の意思決定を支える資料です。この違いを意識するだけでも、資料の質は大きく変わります。
再生医療等提供計画の要点
再生医療等提供計画は、再生医療を安全に提供するための中心となる書類です。PRPや幹細胞治療を導入する際は、治療内容だけでなく、リスク区分、様式、委員会審査、行政提出、変更手続き、定期報告、インフォームドコンセントまでを一体で考える必要があります。
特にクリニックで第三種のPRP療法を導入する場合でも、計画書、説明文書、同意書、手順書、記録管理、報告体制を整えずに進めることはおすすめできません。第三種は比較的低リスクとされる区分であっても、医療機関としての管理責任は明確に存在します。
再生医療等提供計画で大切なのは、書類を作ることだけではありません。計画書に書いた内容を、実際の現場で無理なく運用できる状態にすることです。
最後に、再生医療等提供計画を進める際の基本ステップを整理します。
- 提供したい治療内容を明確にする
- 第一種・第二種・第三種の区分を確認する
- 必要な様式と添付資料を整理する
- 認定再生医療等委員会へ審査を依頼する
- 意見書を取得して行政へ提出する
- 提供開始後の記録と定期報告を管理する
- 変更や中止がある場合は適切に届出を行う
- 患者への説明と同意取得を丁寧に行う
制度や様式は改正される可能性があり、治療内容によって必要な対応も変わります。この記事の内容は一般的な整理であり、個別の医療機関や治療内容にそのまま当てはまるとは限りません。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
再生医療等提供計画を正しく整えることは、法令対応のためだけではありません。患者に安心して治療を選んでもらい、クリニックが継続的に再生医療を提供していくための土台づくりです。導入前の段階から、計画、審査、運用、報告までを見据えて準備していきましょう。
当センターでは、PRP療法や幹細胞治療を導入する医療機関向けに、再生医療等提供計画の作成、認定再生医療等委員会への審査準備、所管の地方厚生局への届出、変更届・定期報告の運用支援まで対応しています。必要に応じて、PRPキットや細胞加工委託先の選定、院内研修、治療開始後の運用設計についてもご相談いただけます。自院の治療内容がどの区分に該当するか分からない場合や、必要書類の整理に不安がある場合は、導入前の段階でご相談ください。
再生医療のトータルサポートをご提供しています

当センターは、PRP療法・幹細胞治療を中心とした再生医療導入のトータルサポートをご提供しています。
当センターの支援の特長
- 申請実績300件超の経験値と対応力
書類の質と経験値が、審査通過のスムーズさに大きく影響します - 申請成功率100%・返金保証
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200時間超を要する申請業務を代行。先生が本来の診療に集中できる環境を守ります - 「申請」ではなく「標準メニュー化」がゴール
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医師→スタッフへのバトンタッチ体制の確立により、月50件→158件へ急増した実例があります - 貴院専用PRP特設LP(ランディングページ)の作成
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再生医療の導入をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。
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本記事の内容を、院内共有・検討用のPDF資料としてまとめています。再生医療導入の検討や、提供計画書作成時の参考資料としてご活用ください。





