PRP/幹細胞治療の導入前に”知っておくべき”7つのポイント!

~【整形外科クリニック向け】「安心・安全」×「手間とコストも抑える」”成功事例”を徹底解説

近年、再生医療の導入クリニックが飛躍的に増えてきています。

以下は厚労省が発表しているデータを纏めたものですが、右肩上がりで増えていることが一目でお分かりになるかと思います。

再生医療等計画の医療機関の届出数(治療)の推移

その内、整形外科領域の申請件数は割合としても多く、既に800件程の申請が出ており、PRP(Platelet-Rich Plasma)療法や幹細胞治療などの再生医療の導入クリニックが年々増えています。

従来の治療では十分な効果が得られない変形性関節症や腱・靭帯損傷の患者に対して、新たな治療選択肢と改善案を提供できるだけでなく、他クリニックの差別化新たな収益源としても考え、導入に踏み切るクリニックが多い現状です。

しかし、再生医療の導入には様々な準備や手続きが必要となり、その負担の大きさから途中で諦めてしまうケースも少なくありません。

そこで本記事では、整形外科クリニックが再生医療を導入する際に”知っておくべき”7つのポイントを詳しく解説します。

整形外科クリニックが再生医療を導入する際に"知っておくべき"7つのポイント

これらのポイントを押さえることで、「安心・安全」な再生医療の提供「手間とコストの削減」を同時に実現することができます。

目次

再生医療の治療効果とメニューの選定

整形外科クリニックにおけるPRP治療の論文や文献などが多く発表されており、臨床データ上の改善率は一般的に凡そ6-7割と言われています。

医療文献の検索サイトPubMedやJ-STAGEなどでPRP治療を検索すると非常に多くの文献データが公開されていますので、是非調べてみて頂き、安全性や治療効果などを理解したうえで、導入を決定することが肝要です。

また、PRP治療や幹細胞治療がどのような疾患に適用されているかも理解が必要です。以下は整形領域で一般的に取り扱われている治療メニューです。

整形外科における主な再生医療メニュー

  • 変形性関節症治療
    • PRP療法:主に初期〜中期の変形性膝関節症
    • 脂肪由来幹細胞治療:中期〜進行期の変形性関節症(膝・股関節など)
  • 腱・靭帯治療
    • PRP療法:アキレス腱炎、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、腸脛靭帯炎など
    • 脂肪由来幹細胞治療:重度の靭帯損傷、難治性の腱炎
  • 筋肉損傷
    • PRP療法:肉離れなどのスポーツ外傷
  • 軟骨損傷
    • 脂肪由来幹細胞治療:膝の軟骨損傷、離断性骨軟骨炎

高齢者の患者が多いA整形外科クリニックでは、まず変形性関節症(2種)に対するPRP療法から導入開始。

膝や股関節などの変形性関節症の患者が多いことから早期に症例数を確保することができました。
その後、筋腱靭帯やスポーツ系のPRP治療(3種)へと適応を拡大し、最終的に脂肪由来幹細胞治療(2種)も導入することで、幅広い症例に対応できる体制を構築しました。
段階的な導入により、スタッフの習熟度も向上し、安全で効果的な治療提供に成功しています。


PRP治療などは海外、国内でも多くの治療実績があり安全性は高い治療ですが、導入する前に医師が治療内容を十分理解しておくことが重要です。

患者への説明時にはメリット・デメリットなどを患者に理解頂き、納得頂いた上で、適切に治療を行いましょう。

当センターは【患者への説明書・同意書】を患者向けに分かり易く作成しております。

既存患者の再生医療の治療ニーズ

既存患者の再生医療の治療ニーズ

整形外科クリニックで再生医療を導入する前に、まず把握すべきなのは既存患者の潜在的なニーズです。

整形外科患者のニーズ調査の重要性

例えば、整形領域であれば、膝関節症に対して、現在行われているヒアルロン酸投与やリハビリテーションなどの既存の治療法では効果が薄い患者が多い場合、PRP治療や幹細胞治療などに興味がある患者は多い可能性があります。

また、人工関節手術を悩んでいる患者に対して、新しい選択肢として再生医療を提案できるということも考えられます。

そういった対象となる患者を想定しておくことは重要となります。

以下はニーズ調査などの例です。

  • ターゲット層の把握:例)膝関節症で既存治療で効果が薄い50-70歳の患者
  • ヒアリング調査:診察時にPRP治療等に興味があるかヒアリング
  • 対象患者数の把握:既存患者リストを見て想定人数を把握

東京都内のB整形外科クリニックでは、PRP療法導入前に既存患者50名にアンケート調査を実施。

その結果、変形性膝関節症の患者の約70%が「手術以外の選択肢として再生医療に関心がある」と回答し、腱・靭帯損傷の患者の50%が「早期復帰のため、再生医療を受けたい」と回答しました。
このデータを基に治療計画を策定したところ、導入後3ヶ月で月間15件の変形性膝関節症へのPRP治療と10件の腱・靭帯損傷へのPRP治療を実施するまでに成長。
既存患者のニーズを正確に把握していたことが、スムーズな立ち上げの鍵となりました。

周辺クリニックの導入調査(料金調査含む)

周辺クリニックの導入調査(料金調査含む)

再生医療導入前に自院周辺エリアにおける再生医療の導入状況や料金設定を把握しておくとよいでしょう。

既に周辺クリニックで導入されていれば、そちらの料金設定と比較されることもあるため、自院の料金設定時にも参考にしておく必要があります。

市場調査のポイント

調査項目確認ポイント
周辺クリニックの導入状況再生医療導入有無、対象疾患、患者層など
治療料金の相場PRP治療、幹細胞治療の治療別の価格帯
患者の流入経路 HP掲載、リーフレットやポスターによる院内掲示

整形外科における再生医療料金設定の傾向(2025年3月現在)

E再生医療で公開されている再生医療導入クリニックの患者説明書内の価格設定を調べてみると、整形外科クリニックにおける再生医療の料金相場は以下の通りです。

  • 変形性膝関節症へのPRP療法:1回あたり4〜15万円
  • 腱・靭帯損傷へのPRP療法:1回あたり4〜10万円
  • 脂肪由来幹細胞治療(膝関節):75〜120万円

C整形外科クリニックでは、周辺の整形外科10院の料金調査を実施した結果、PRP療法の平均価格が6万円であることが判明。

そこで初回限定4万円という価格設定で市場参入し、3ヶ月で60件の施術実績を達成。
特にKL1-3の膝関節症の高齢患者や早期復帰を望むアスリートに対して、問診時に医師から選択肢として提案したところ、治療を希望される患者は意外と多く、効果もまずまずのため、リピート投与の方含めて支持を獲得できました。

導入コスト・収支シミュレーション

導入コスト・収支シミュレーション

整形外科クリニックでの再生医療導入には様々なコストが発生します。

事前に収支ミューレションを立てておき、1年、3年、10年などの収支目標やイメージをもっておきましょう。

整形外科クリニックにおける主な導入コスト項目

PRP療法や幹細胞治療における導入費用の目安は以下のとおりです。

整形外科クリニックでは、一般的にPRP治療の2種再生医療(変形性関節症)と3種再生医療(筋腱靭帯系)の2つの治療を同時に申請・導入されるケースがほとんどです。両方の疾患の患者を抱えているクリニックが多いためです。

【初期コスト】は2つの申請で、凡そ120万位で考えて頂くと分かりやすいかと思います。

なお、これはあくまで比較的割安で「準備品」を用意でき、「審査費用」「申請代行費用」を抑えられたケースとなります。

後述しますが、審査委員会や申請業者の選択肢を間違えると120万→240万など、倍近くコストが変わりますので、注意が必要です。

【初期コスト】PRP療法幹細胞治療
準備備品遠心機:約23万円
クリーンブース:約7万円
準備品:0-120万円
(遠心機:30万円)
(ボルテックスミキサー:2万円)
(ブロックバス:30万円)
(低温フリーザー:50万円)
※培養委託先により異なる
審査料3種:11万-
2種:26万-
26万
申請代行業者への
委託費
CPC申請:5万-
3種:20万-
2種:35万-
100万-
【合計】2種3種セット:約127万準備品なし:約126万
準備品あり:約240万

【ランニング費用】としては、標準的なPRPキットで1治療ごとに1万~3万円/回がかかります。

【ランニングコスト】PRP療法幹細胞治療
治療都度費用PRPキット:1-3万/回培養委託費:40-60万/回
定期審査料(毎年)3種審査:5万-
2種審査:10万-
2種審査:10万-

整形外科クリニックにおける収支シミュレーション例

上記で凡その【コスト(支出面)】が分かりましたので、次に【収入面】を想定します。

実際に毎月何人の治療を想定し、1回当たりの治療料金の設定を考えると収支のイメージが立てられるかと思います。

以下は、整形外科クリニックでPRP療法を月4件実施した場合の収支シミュレーション例です。

  • 収入面:合計264万
    • 治療単価:5.5万円/回
    • 月4件(週1人)治療の場合:年間48件
    • 年間収入:5.5万×48件=264万円
  • コスト面:合計175万
    • 初期コスト:127万円(遠心分離機、クリーンベンチ、申請関連費用等)
    • 都度コスト:キット代1万円/件(年48回=48万円)
  • 初年度収支:合計89万(収入264万-コスト175万)

徐々に治療に慣れてきて、利用者数が多くなるケースを想定した場合、月8件(週2人)など治療件数が増え、収入面も増えていきます。

2年目以降は初期コストがかかりませんので、ランニングコストは使用したPRPキット代(1件1万円)と年間審査料(約15万円)のみのため、収支は大きく上がってきます。

以下、収支予測イメージの通り、治療件数により、10年間で2,000万~1億規模の利益を生むことが可能です。

PRP治療は1回で効果が出る方と複数回で効果が出る方と個人差があります。
クリニックの多くは通常2-3回程度の投与を推奨しており、複数回投与を前提として患者にも説明して同意を得ておくとよいでしょう。

治療件数別の収支予測イメージ

治療数/月初年度収支 2年目以降収支 10年間の合計収支
4回89万円/年 216万円/年2,033万円
8回305万円/年532万円/年5,093万円
12回521万円/年748万円/年7,253万円
16回737万円/年964万円/年9,413万円
20回 953万円/年 1,180万円/年11,573万円

※2年目以降の定期報告審査料約15万円は2年目以降の支出として想定

成功事例:D整形外科クリニックのケース

D整形外科クリニックでは、このような綿密な収支計画を立てた上でPRP療法を導入。

変形性膝関節症と腱・靭帯損傷の患者をバランスよく集客することで、予測を上回る症例数を確保し、3ヶ月で初期投資を回収(30人×4.5万円=売上135万-初期コスト127万)することに成功しました。

ポイント

代行業者は申請手続きを代行してくれるだけではなく、PRPキットメーカー、委託培養メーカー、審査委員会の選定の他、収支シミュレーションや治療前のデモ会やスタッフ説明会など、治療開始に必要な一連の選定・手続き・準備をフォローしてくれる業者が望ましいでしょう。

申請手続きについて

画像リンク:e-再生医療 再生医療等の各種申請等のオンライン手続サイト

再生医療提供には、法律に基づく適切な申請・承認が必要です。

整形外科で導入される再生医療の分類

整形外科領域で実施される再生医療は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、以下のように分類されます:

  • 第2種再生医療:
    • 幹細胞(脂肪由来、骨髄由来など)を用いた治療
    • 変形性関節症に対するPRP療法(関節内投与)
  • 第3種再生医療:
    • 筋・腱・靭帯損傷に対するPRP療法(関節外投与)

関節系の第2種と、筋腱靭帯系の第3種のPRP治療を療法扱えるように、同時に申請することも可能です。

整形外科クリニックにおける申請の主な流れ

厚労省の公開資料による手続きの流れのイメージは以下の通りです。

画像リンク:000679801.pdf
  • 提供計画の作成
  • 認定(審査)委員会による審査
  • 認定(審査)委員会から意見書(認定書)を受領
  • 厚生局への提供計画の提出と受理
  • 受理後、再生医療の提供開始

※(自院でPRPや幹細胞を加工する場合)事前に特定細胞加工物製造届書の提出要

e-再生医療」にも掲載されておりますが、治療の提供計画書や各種基準書、手順書、各種論文・文献データなど30以上の書類(200-300頁)を作成・準備する必要があります。

また、審査委員会による審査・折衝対応、厚労省への手続きなど、煩雑な作業が多いのが実情です。

手続き詳細は以下の記事でもご案内しております。参考まで。

成功事例:E整形外科クリニックのケース

E整形外科クリニックでは、開業のタイミングで再生医療を開始できるよう、申請作業を専門のコンサルタントに依頼。

事前の調査やシミュレーションの他、手続き、選定やスタッフ説明など含めて、審査・厚生局対応などをコンサルタントに依頼したため、自身はクリニックの開業準備に注力できました。

ポイント

提供計画の作成にかかる作業量は最低でも200時間はかかると言われております。例えば医師の時給を1万円で換算した場合、200万円程のコストと考えられるかもしれません。
クリニックの経営や運営に注力するため、再生医療の導入手続きについては、代行業者の利用をご検討下さい。

PRPキットや細胞培養委託メーカーの選定

PRPキットや細胞培養委託メーカーの選定

整形外科領域での再生医療では、使用するPRPキットや細胞培養委託先の選定も重要なポイントとなります。

① PRPキットメーカーの選定

① PRPキットメーカーの選定

PRP治療は、患者から採血した血液をPRPキットを利用して遠心機で回転させたり、血小板や白血球の濃度を調整したりして、投与するPRP(血小板血漿)を製造します。

製造に関わるPRPキットによって、製造方法や調整の仕方の他、血小板の濃縮率なども異なるため、PRPキットメーカーの選定は重要と言えます。

整形外科領域に適したPRP作製キットの比較

キット名特徴 価格帯 血小板濃縮率白血球含有整形領域での適性
A社製キット高濃度PRP、白血球多い4〜5万円6〜8倍多い腱・靭帯損傷に最適
B社製キット中濃度PRP、白血球少ない3〜4万円4〜6倍少ない関節内投与に最適
C社製キット白血球量調整可能、コストパフォーマンス良好1~1.5万円 3〜4倍中程度汎用性高い
ポイント

白血球には、炎症を引き起こし不要な組織を壊していく代謝作用があり、筋腱靭帯などの治療には白血球を含せるなど調整するケースがあります。反対に関節系の治療には白血球を極力除外するなど、疾患によって、赤血球と白血球の量を調整して施術するクリニックも多く、調整が可能なキットを選択されることが多いようです。

② 幹細胞培養委託メーカーの選定

② 幹細胞培養委託メーカーの選定

幹細胞治療においては、クリニックで採取した脂肪の細胞培養を委託する施設・メーカーの選定が重要です。

培養技術や品質、培養量の他、培養方法のレクチャーなどサポート体制が充実した施設・メーカーを選定しましょう。

幹細胞治療を導入する場合の委託先選定ポイント:
  • 培養技術:培養実績、継代数、細胞生存率、細胞の凍結・非凍結等
  • 品質管理体制:無菌環境の確保、エンドトキシン試験などの品質検査
  • 細胞の輸送体制:輸送方法、適切な温度管理等
  • サポート体制:脂肪採取~投与までのレクチャーやフォロー等
  • コスト:培養費用、細胞保管費、輸送費

成功事例:F整形外科クリニックのケース

F整形外科クリニックでは、複数のPRPキットを実際に比較検討した結果、関節内投与用と腱・靭帯治療用の2種類のキットを使い分けることを決定。

それぞれの適応に合わせたPRPを提供することで治療効果が向上し、患者満足度の向上につながりました。

ポイント

PRPキットメーカーや細胞培養委託先メーカーの特徴などを比較検討することは重要です。当センターでは、選定先候補を10社以上をご案内可能です。
各社の特徴などをご説明し、選定頂いた候補会社と直接面談頂き、決定頂くことが可能です。

審査委員会・厚生局について

整形外科領域の再生医療提供には、審査委員会による審査と行政機関の承認が必要です。

① 審査委員会の選定

① 審査委員会の選定

再生医療を審査する委員会は2025年3月時点で150以上あります。委員会は一度選定しまうと変更するのは非常に手間とコストがかかります。

また、委員会によって、審査要件、審査料、開催頻度の他、審査のポイントなども大きく異なります。

委員会の選定を安易に決めて、その後苦労されているクリニックからの問合せ・相談は多いため、始めの選定時にキッチリと情報を入手して、比較検討することは重要です。

審査委員会の選定ポイント
  • 整形外科領域の審査実績:類似の再生医療提供計画の審査経験
  • 審査頻度:月1回開催の委員会が多いが、オンライン開催対応の委員会も増加
  • 審査料:2種25-80万円、3種5-30万など委員会により審査料も異なる
  • 資格要件:専門医資格を必須とする委員会もあり
  • 出席:審査日に出席を求める委員会もあり
  • 相談対応の柔軟性:申請前の相談受付体制
整形外科疾患に対する再生医療の審査ポイント
  • 適応症例の安全性・妥当性:エビデンスに基づいた適応症例の選定
  • 治療計画内容の適正:治療提供計画に問題が無いか
  • 治療提供医師の適格性:専門分野や資格要件
  • 治療対象・除外基準の明確化:年齢、感染、悪性腫瘍、血液疾患など
  • 有効性評価方法:VAS、KOOS関節可動域、QOL評価など
  • フォローアップ:治療効果の持続期間、再投与の基準


②地方厚生局の対応

②地方厚生局の対応

審査委員会の審査を無事通過すると、意見書(認定書)が発行されます。その意見書を提供計画書類一式と共に厚労省(e-再生医療)に提出します。

画像リンク:e-再生医療の利用方法について

厚生局の対応で知っておいて頂きたいポイントとしては、各エリアの厚生局によって、申請~受理までにかかる期間が大きくことなるという点です。

例えば、A厚生局では申請後、特に提出書類に不備が無ければ1-3日で受理されますが、B厚生局では1か月以上かかるなどがあります。

当センターにご依頼頂いたクリニック様に対しては、厚生局に事前に何度か相談しておくなどして、開業やご希望のタイミングで受理されるようにサポートをさせて頂いたこともあります。

成功事例:G整形外科クリニックのケース

申請前に十分な相談を行い、必要な資料やデータを整理した上で審査に臨んだことで、一度の審査で承認を得ることができました。

G整形外科クリニックでは、整形外科領域の再生医療審査実績が豊富、且つ比較的審査料が割安な審査委員会を選定。

さいごに:再生医療導入の労力の目安

再生医療導入には、申請書類作成、審査・申請手続き、各所とのやりとり、業者・メーカー選定、期日管理、導入後対応など、多くの労力と時間が必要となります。

整形外科クリニックにおける導入までの各フェーズの労力目安

準備から治療開始までの期間は申請代行業者を利用して通常3か月と言われており、クリニック側で独自に申請を進める場合は更に労力と期間を要するものと思われます。

フェーズ労力レベル具体的な作業内容
患者ニーズ調査★★★既存患者へのヒアリング、適応症例数の把握
機器・キット選定★★治療対象に合わせたPRPキット選定、デモ機使用
申請書類作成★★★★★1申請毎に200〜300ページに及ぶ申請書類の作成
委員会審査対応★★★★審査申込、書類提出、折衝、指摘・修正対応
フェーズ労力レベル具体的な作業内容
施設準備★★★清潔区域の確保、動線設計
スタッフ教育★★★PRP作製手順、患者説明のトレーニング
厚生局対応★★★e-再生医療へ登録・申請、折衝、指摘・修正対応

整形外科領域での成功事例:総合的なアプローチ

H整形外科クリニックでは、再生医療導入に際し、以下の総合的なアプローチで成功を収めました。

  • 変形性膝関節症患者100名、スポーツ外傷患50名へのアンケート調査を実施
  • 患者データベースから適応症例数を正確に把握(年間約100名の潜在患者を特定)
  • 申請代行業者に申請手続きを依頼し医療経営に集中
  • 関節内用・関節外用の2種類のPRPキットを使い分け、疾患別に最適な治療を提供
  • スタッフ教育のためにデモ研修会を実施

これらの取り組みにより、導入から6ヶ月で月間25件の再生医療(変形性膝関節症15件、腱・靭帯損傷10件)を提供するまでに成長。

従来のヒアルロン酸注入や理学療法との併用により、総合的な治療満足度が向上し、評判を呼んで新規患者の獲得にもつながりました。


整形外科クリニックにおける再生医療の導入は確かに労力を要しますが、適切な準備と戦略的なアプローチにより、「安心・安全」かつ「手間とコストを抑えた」導入が可能です。

本記事でご紹介した7つのポイントを参考に、貴院の強みを活かした再生医療の導入をご検討ください。

変形性関節症や腱・靭帯損傷の患者様に新たな治療選択肢を提供することは、患者満足度の向上だけでなく、クリニックの差別化と収益向上にもつながります。

再生医療導入の申請代行について

再生医療導入の申請代行について

再生医療の導入には、申請手続きを理解し、200-300頁の申請書類を作成・準備し、キットメーカーや培養委託先等と調整し、審査委員会や厚生局との折衝を行うなど、恐らく1申請ごとに150h-200h(PRP治療の場合、幹細胞治療はその2倍)はかかる作業が必要となります。

医師先生方には医療経営に時間と労力を投下頂きたく、PRP幹細胞導入支援センターでは、行政書士等と連携して、PRP療法や幹細胞治療の導入に向けて必要な申請作業を総合的にサポートします

再生医療の導入に関するご質問やご要望はお気軽にご連絡ください。

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