【医療機関向け】PRPによるED治療の導入方法と効果・費用を解説

ED治療の自由診療メニューを増やしたいものの、PRPを用いたED治療について何から情報収集すればよいか分からない、というご相談を院長・医師の皆様からいただく機会が増えています。すでに泌尿器科やメンズクリニックとして診療を行っている先生であれば、新しい自由診療メニューとしてPRPによるED治療の導入を検討する価値は十分にあると私は考えています。
私は再生医療導入コンサルタントとして、PRP再生医療の導入支援を専門に行っている泉山秀和と申します。最近はED・男性機能改善領域におけるPRP治療について、医療機関から相談を受ける機会が増えており、実際に再生医療等提供計画の作成や導入支援に携わった経験もあります。
この記事では、あなたのクリニックがPRPによるED治療の導入を検討する際に押さえておきたいポイントを、医療機関向けの視点で整理してお伝えします。治療の仕組みや研究報告に基づく効果、国内の導入事例、費用相場、導入を検討する際に知っておきたいポイントまで解説します。
- PRPを用いたED治療の仕組みと研究報告に基づく効果
- 国内でPRPによるED治療を導入している医療機関の事例
- PRPによるED治療の費用相場
- PRPによるED治療を導入する際に必要となる申請
PRPによるED治療の導入とは

ここでは、PRPによるED治療の導入を検討するうえで前提となる、治療の仕組み・投与方法・作用機序・効果に関する研究報告、既存治療との違いについて整理します。まずは治療そのものへの理解を深めていきましょう。
PRPを用いたED治療の仕組み
PRPを用いたED治療とは、患者自身の血液から多血小板血漿(PRP:Platelet Rich Plasma)を作製し、陰茎海綿体に投与することで勃起機能の改善を図る自由診療です。まず結論として、この治療は患者自身の血液を材料とする再生医療の一種であり、他家由来の細胞や薬剤を用いる治療とは前提が異なります。
PRPは、患者から採取した血液を遠心分離することで得られる、血小板を高濃度に含んだ血漿成分です。血小板には組織修復や血管新生に関わる成長因子が豊富に含まれており、この成長因子を活用することで組織の修復・再生を促すという考え方に基づいています。例えば、整形外科領域では関節や腱の損傷に対してPRPが用いられていますが、これと同じ原理をED・男性機能改善の領域に応用したものが、PRPを用いたED治療です。
ただし、後述するとおり研究段階の部分も多く残る治療であるため、「PRPを用いたED治療は、患者自身の血液を利用した再生医療の一種である」という基本の理解を、まず医療機関側が正確に持っておくことが導入検討の出発点になります。
陰茎へのPRP注射の投与方法
PRPを用いたED治療の投与方法は、医療機関や採用しているプロトコルによって具体的な手順が異なります。まず押さえておきたいのは、「この方法が唯一の正解」という標準治療プロトコルが確立されているわけではない、という点です。
公開されている臨床研究や医療機関の治療情報では、陰茎海綿体にPRPを投与する方法が用いられています。局所麻酔や表面麻酔を用いたうえで注射を行う医療機関もあり、投与回数についても1回のみで様子を見る場合もあれば、1か月間隔で複数回(3回程度)投与するプロトコルを採用している医療機関もあります。使用するPRP作製キットの種類や、成長因子・幹細胞由来セクレトームなどを組み合わせるかどうかによっても、投与内容は変わってきます。
このように投与部位・投与量・麻酔の有無・投与回数は施設や研究によって異なるため、自院で導入する際には「一般的にはこの方法」と一律に決めつけず、採用するPRP作製キットのプロトコルや、提携する医師・委員会の助言を踏まえて個別に検討する必要があります。
血流や血管新生などの作用機序

PRPがED・男性機能改善に作用すると考えられている機序は、主に血流改善と組織修復の2つの観点から説明されています。血小板に含まれる成長因子が、血管新生や血管内皮機能の改善、神経機能の回復、海綿体組織の修復といった複数の経路に働きかけると考えられているためです。
具体的には、基礎研究や動物実験のレベルでは、PRPに含まれる血管内皮増殖因子(VEGF)などが血管新生を促し、陰茎海綿体への血流を改善する可能性が報告されています。また、神経成長因子を介した神経再生への関与も研究テーマの一つとなっています。一方で、これらの多くは動物実験や基礎研究の段階にとどまっており、ヒトの臨床現場でどの程度再現されるかについては、次項で扱う臨床研究の結果を踏まえて慎重に評価する必要があります。
つまり、PRPの作用機序として血流改善・組織修復・神経機能への関与が想定されてはいるものの、動物研究・基礎研究・臨床研究のどの段階の話なのかを区別して理解しておくことが、医療機関として患者に説明する際にも重要になります。
IIEFなどの研究報告に見る効果

PRPを用いたED治療の効果については、国際的な学術誌に掲載されたメタ解析や臨床試験がいくつか報告されています。結論から言うと、プラセボと比較して一定の改善傾向を示す報告が多い一方で、効果の大きさについては研究によって評価が分かれています。
複数の臨床研究をまとめて評価した2024年のメタ解析では、12件の対照試験(991例)と11件の単群試験(377例)が検討されました。その結果、PRP治療群ではIIEF(国際勃起機能スコア)やMCID(患者が実感できる最小限の改善度)の改善が報告されています。一方で、研究ごとに対象患者やPRPの投与方法、治療回数などが異なるため、現時点では効果について慎重に評価する必要があります。
参考論文: Du Sら(2024)「PRPによるED治療の有効性を検討したメタ解析」
このように、複数のメタ解析ではプラセボを上回る改善傾向が報告されている一方で、次項で触れるように個別の質の高い臨床試験では効果の差が小さいという結果も存在します。医療機関として患者に説明する際は、「効果が期待される」という表現にとどめ、「必ず効果がある」という断定は避けることが重要です。
エビデンスの限界と留意点
PRPを用いたED治療の研究報告を扱ううえで欠かせないのが、現時点でのエビデンスの限界を正確に把握しておくことです。まず結論として、メタ解析レベルでは良好な傾向が報告されている一方、個々の質の高いランダム化比較試験では、臨床的に意味のある差が小さいという結果も報告されています。
例えば、52例の軽度〜中等度ED患者を対象としたランダム化プラセボ対照試験では、IIEFスコアについて以下の結果が報告されています。
- 1か月後:PRP群 16.12 / プラセボ群 15.99
- 3か月後:PRP群 16.44 / プラセボ群 16.31
- 6か月後:PRP群 16.35 / プラセボ群 16.23
ただし、いずれの時点でも両群間に統計学的有意差は認められませんでした。この結果からも、PRPによるED治療の有効性については、現時点で一貫した結論が得られているとは言えません。
参考論文:Ragheb AMら(2024)「PRP注射によるED治療の安全性・有効性を検討したランダム化比較試験」
一方で、この試験ではPRP群とプラセボ群の間に統計学的有意差は認められておらず、PRP治療の有効性については研究によって結果が一致していません。また、多くのメタ解析においても「研究規模が小さい」「標準化された治療プロトコルが確立していない」「長期的な追跡データが十分でない」といった限界が指摘されています。
PRPによるED治療のように新しい選択肢を患者に案内する場合は、こうした研究の限界を踏まえたうえで、「効果が期待される治療の一つ」という位置づけで説明し、「確立された標準治療」であるかのような誤解を与えないことが医療機関側の重要な役割になります。
PDE5阻害薬などの既存治療との違い

ED治療として広く利用されているPDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス等の内服薬)や、陰圧式勃起補助具、陰茎海綿体注射、外科的治療(陰茎プロステーシス挿入術等)とPRP治療は、アプローチの考え方が根本的に異なります。
PDE5阻害薬は、服用のたびに血管を拡張させることで一時的に勃起を補助する薬理作用に基づく治療です。効果は服用時間に限定され、体内から薬剤が代謝されれば作用は消失します。一方でPRP治療は、組織修復・血管新生といった生体反応を促すことで、投与後の一定期間にわたる機能改善を目指すという考え方に基づいています。陰圧式勃起補助具や陰茎海綿体注射、外科的治療は、いずれも即時的または機械的に勃起を得る、あるいは器具を挿入するアプローチであり、PRP治療とは目的も適応となる患者層も異なります。
ここで注意したいのは、PRP治療がPDE5阻害薬より優れている、あるいは既存治療を代替するものだと説明しないことです。前項で見たとおりPRP治療のエビデンスはまだ発展途上であり、既存治療を否定したうえでPRP治療を勧める構成は避け、あくまで「新しい選択肢の一つ」として、既存治療との違いを客観的に伝えることが重要です。
PRPによるED治療を導入するメリットと注意点

治療そのものへの理解を踏まえたうえで、ここからは医療機関がPRPによるED治療を導入する際のメリットと、事前に押さえておきたい注意点、国内の導入事例や費用相場について解説します。
自由診療メニューとしてのメリット
PRPによるED治療を自由診療メニューに加えることの最大のメリットは、他院との差別化につながりやすい点にあると私は考えています。現時点では、EDに対するPRP治療を導入している医療機関はまだ多くないためです。
具体的には、患者自身の血液を用いる自己血由来の治療であるため、他家由来の細胞や合成薬剤に抵抗感を持つ患者層にもアプローチしやすいというメリットがあります。また、PDE5阻害薬による内服治療が既に広く普及している中で、再生医療という付加価値を持った新しい自由診療メニューを提供できることも強みになります。すでに泌尿器科やメンズクリニックとして開業している医療機関であれば、既存のED診療の延長線上に新しいメニューを追加する形で導入を検討しやすい点も特徴です。
もっとも、導入医療機関が少ないということは、それだけ情報や実施ノウハウの蓄積も少ないことを意味します。差別化メニューとしての可能性がある一方で、次に述べるデメリット・リスクも踏まえたうえで検討することが重要です。
導入前に知っておきたいデメリットとリスク
- 公的医療保険が適用されない自由診療となり、治療費が高額になりやすい
- 効果には個人差があり、効果が得られない可能性もある
- 注射に伴う疼痛・出血・腫脹・内出血・感染などのリスクがある
- 治療方法や投与プロトコルが十分に標準化されていない
- 長期的なエビデンスが十分とは言えない
メリットだけでなくデメリット・リスクも正確に把握しておくことが、患者への適切な情報提供につながります。PRPによるED治療は自由診療であるため治療費が高額になりやすく、効果にも個人差があるという前提を医療機関側が理解しておく必要があります。
実際に導入している医療機関の患者説明資料でも、注射に伴う一時的な腫れ・痛み・赤みや、出血・感染などの一般的な注射リスクについて説明したうえで、効果を保証しない旨が記載されているケースが見られます。治療方法自体も研究段階の要素を含むため、「効果には個人差があり、標準化された治療法として確立しているわけではない」という説明を、同意取得の際に丁寧に行う体制を整えておくことが望まれます。
これらのリスクを踏まえたうえでなお、差別化メニューとしての価値を感じられるかどうかが、導入を判断する際の一つの分かれ目になると考えています。
国内でPRPによるED治療を導入する医療機関
ここでは、国内でED・男性機能改善に対するPRP治療を自由診療として案内している医療機関の例を紹介します。各医療機関の公式サイトで公開されている治療内容をもとにまとめています。治療内容や提供状況は変更される可能性があるため、最新情報は各医療機関の公式サイトでご確認ください。
| 医療機関名(HPリンク) | 案内されている治療名・区分 | 患者説明書(e-再生医療掲載) |
|---|---|---|
| ヒロクリニック | PRP療法によるED治療(自由診療メニューとして案内) | ー |
| 新宿御苑メンズクリニック | ICI PRP療法(自由診療メニューとして案内) | 資料1 |
| プルージュ リジェン クリニック(品川) | メンズ増大・機能再生PRP注射(自由診療メニューとして案内) | 資料1 |
| リボーンクリニック 大阪院 | ED(勃起不全)治療における再生医療(自由診療メニューとして案内) | ー |
| ナチュラルハーモニークリニック表参道 | 男性機能・EDの改善(自由診療メニューとして案内) | 資料1 |
| リジェネクリニック | 男性勃起障害(ED)に対する再生医療(自由診療メニューとして案内) | ー |
e-再生医療の提供計画一覧は、厚生労働省の公式サイトで公開されています。自院でPRPによるED治療の導入を検討する際は、各医療機関の公式サイトだけでなく、e-再生医療で最新の提供計画や届出状況を確認することも重要です。
PRPによるED治療の費用相場

PRPによるED治療の費用は、医療機関やPRPの作製方法、成長因子・幹細胞由来セクレトームなどのオプションの有無によって幅があります。結論としては、1回あたり3万円台から30万円程度まで、医療機関によって大きな価格差が見られます。
例えば、ICI PRP療法を提供する医療機関では1回33,000円、6回コースで150,000円という価格設定が見られる一方、亀頭と陰茎海綿体の両方にPRPを投与するメニューでは297,000円という設定も確認できました。また、成長因子を追加するプレミアムメニューになると1回149,000円程度になる例もあります。このように、投与部位や投与量、追加する成分の種類、コース設計(単回か複数回か)によって価格帯は大きく変わります。
自院で価格を設定する際は、上記のような他院の価格帯を参考にしつつ、使用するPRP作製キットのコストや、委員会審査料・定期報告など運用にかかるコストも踏まえたうえで、自由診療メニューとして無理のない収支設計を行うことが重要です。
泌尿器科でPRPによるED治療の導入は難しいか
「PRPを用いたED治療は、特殊な設備がなければ実施できないのではないか」という懸念を持つ医師の方もいらっしゃいますが、結論として、陰茎周辺の診察や処置に日常的に慣れている泌尿器科やメンズクリニックであれば、極端に難易度の高い治療ではないと私は考えています。
理由として、PRPを用いたED治療で必要となる手技は、血液採取・遠心分離によるPRP作製・局所への注射という工程が中心であり、外科的な大掛かりな処置を伴うものではありません。すでに包茎手術やED治療、陰茎周辺の処置を扱ってきた泌尿器科・メンズクリニックであれば、解剖学的な知識や手技の土台はすでに備わっていると言えます。実際に、既存のED専門クリニックやメンズクリニックがPRP治療を自由診療メニューに追加している例も複数見られます。
ただし、「簡単にできる」という理解は誤りです。PRP作製キットの取り扱いに関する研修、感染管理を含む安全管理体制の整備、そして適切な患者選択(PRP治療が適応となる状態かどうかの見極め)が前提となります。適切な知識・手技・安全管理体制を整え、必要な法的手続きを行えば、既存の泌尿器科やメンズクリニックでも導入を検討できる治療である、というのが実務的な結論になります。
なお、PRPによるED治療は、PRP作製キットを導入すればすぐに開始できる治療ではありません。国内で提供するには、再生医療等安全性確保法に基づく再生医療等提供計画の作成や、認定再生医療等委員会での審査、地方厚生局への提出など、必要な手続きを行う必要があります。
必要となる準備や申請内容は、治療方法や使用するPRP作製キットなどによって異なります。私はPRPによるED治療の再生医療等提供計画の作成や導入支援にも携わっていますので、「自院でも導入できるのか」「何から準備すればよいのか」といった段階からご相談いただけます。
腹圧性尿失禁などへのPRP応用の広がり
PRPの活用は、ED・男性機能改善の領域に限られたものではありません。泌尿器科領域では、PRPを腹圧性尿失禁の治療に応用している医療機関も見られます。
例えば、そえだ腎・泌尿器科クリニックでは腹圧性尿失禁に対するPRPを用いた治療が案内されているほか、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院では、自家多血小板血漿を用いた女性の腹圧性尿失禁に関する非盲検試験が行われています。これらはEDとは異なる疾患領域への応用ですが、PRPという同じ再生医療の技術を、泌尿器科領域の複数の疾患に展開できる可能性を示す事例と言えます。
泌尿器科クリニックにとっては、EDに対するPRP治療と腹圧性尿失禁に対するPRP治療の両方を自由診療の選択肢として検討することも、今後の展開の一つになり得るでしょう。
PRPによるED治療の導入を検討する医療機関へ
この記事では、PRPによるED治療について、治療の仕組みや効果に関する研究報告、国内の導入事例、費用相場、医療機関が導入を検討する際に押さえておきたいポイントを解説しました。
現時点では、EDに対するPRP治療を導入している医療機関はまだ多くありませんが、だからこそ泌尿器科やメンズクリニック、ED専門クリニックにとっては、自由診療メニューの差別化につながる可能性がある領域だと私は考えています。一方で、エビデンスがまだ発展途上であることや、治療プロトコルが標準化されていないことも事実であり、メリットとリスクの両方を正確に理解したうえで検討を進めることが重要です。
PRPによるED治療を実際に導入する場合には、再生医療等安全性確保法に基づく必要な手続きを行う必要があります。治療内容や使用するPRP作製キットによって準備内容も異なるため、「自院で導入できるのか」「どのような準備が必要なのか」といった段階から、必要に応じてご相談ください。
再生医療のトータルサポートをご提供しています

当センターは、PRP療法・幹細胞治療を中心とした再生医療導入のトータルサポートをご提供しています。
当センターの支援の特長
- 申請実績300件超の経験値と対応力
書類の質と経験値が、審査通過のスムーズさに大きく影響します - 申請成功率100%・返金保証
万が一、不成功の場合は費用を返金いたします。確実な申請をお約束します - 最短30日のスピード申請
200時間超を要する申請業務を代行。先生が本来の診療に集中できる環境を守ります - 「申請」ではなく「標準メニュー化」がゴール
他社は書類作成のみ。弊所は申請+初期運用設計までをパッケージで支援します - 院内集患の導線設計
広告費ゼロで既存患者への案内が自然に生まれる「プル型」の院内環境を構築します - 医師説明ツールの提供
医師が金額ではなく「得られる未来」を短時間で伝えられる説明資料を提供します - カウンセリングツール・分業体制の構築
医師→スタッフへのバトンタッチ体制の確立により、月50件→158件へ急増した実例があります - 貴院専用PRP特設LP(ランディングページ)の作成
患者・家族が帰宅後に読める特設ページを、標準プラン内で作成いたします - 導入前・導入時・導入後の一気通貫サポート
申請から運用設計・初期伴走まで、すべてのフェーズで並走します - 全国対応(訪問+WEB)
初回は必ず現地に伺い、状況をふまえたご提案を行っています
当センターは、将来を見据えた「選ばれるクリニックづくり」を見据えてサポートいたします。
再生医療の導入をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。
\お気軽にご連絡ください/



