PRP×FGF添加治療とは?効果・リスク・添加設計と導入時の注意点

PRPとFGFについては、PRPF療法、FGF注射、トラフェルミン、成長因子など、さまざまな言葉が使われています。特に美容医療では、PRP単独の治療と、PRPにbFGFを添加する治療は同じものではありません。
実際に当センターには、皮膚科・美容医療領域の医師からFGF添加PRPの導入相談が寄せられています。なかには、勤務先ですでにFGF添加PRPを経験し、作用機序や治療の特徴を理解したうえで、独立・開業後も自院で引き続き導入したいと希望された医師からのご相談もありました。
FGF添加PRPは、PRP単独とは異なる作用を期待できる治療として、導入を検討する医師もいます。一方で、治療内容によっては注意すべき点もあるため、期待される効果と安全性の両面を理解したうえで検討することが大切です。
本記事では、PRPとFGFの違いやFGF添加PRPの効果・リスク、医療機関が導入する際に確認しておきたい手続きやポイントについて、分かりやすく解説します。
- PRPとFGFの仕組みと違い
- FGF添加PRPの効果と注意したいリスク
- 導入を検討する医療機関が確認したいポイント
PRP FGFの違いと治療の基本
PRPとFGFは、どちらも組織修復や細胞の働きに関係するため一緒に語られることがありますが、医療上の位置づけは異なります。まずはPRPそのものに含まれる成長因子と、外部から添加するFGFを分けて理解することが重要です。ここではPRP、FGF、PRPF療法の基本から、導入を検討するうえで押さえておきたいポイントまで順番に整理します。
PRPとは?治療の仕組みと効果
PRPとは、Platelet-Rich Plasma(多血小板血漿)の略称です。患者自身から採取した血液を遠心分離し、血小板を多く含む血漿部分を取り出して治療に利用します。
血小板にはPDGF、TGF-β、VEGF、EGF、FGFなど、組織修復や血管新生に関係する複数の成長因子が含まれています。PRPは、特定の成長因子だけを単独で作用させる治療ではなく、自己血中の血小板に含まれる複数の因子を利用する点が特徴です。
そのためPRPは、整形外科領域では筋・腱・靱帯や関節疾患、美容領域では皮膚のシワや肌質など、目的に応じて利用されています。
ただし、PRPは使用するキットや調製方法などによって、得られるPRPの性状が異なる場合があります。そのため、PRP+FGFを検討する際も、すべての治療が同じ内容ではないことを理解しておくことが大切です。
また、PRPは自己血を利用することが特徴ですが、採血や注入などの医療行為を伴うため、腫れや疼痛などが生じる可能性があります。
FGF注射とは?成長因子の特徴
FGFはFibroblast Growth Factorの略で、日本語では線維芽細胞増殖因子と呼ばれます。FGFには複数の種類があり、美容医療におけるPRPとの併用で主に扱われるのは、bFGF(basic Fibroblast Growth Factor、FGF2)です。
bFGFには、線維芽細胞などの細胞増殖や血管新生、肉芽形成などに関係する作用があります。日本ではトラフェルミンとして承認された医薬品がありますが、承認された用途と、美容目的でPRPへ添加し皮内・皮下へ注入する使用方法は分けて考える必要があります。
FGFという言葉だけを見ると、PRPにも含まれる成長因子だから同じように考えられるように思われるかもしれません。しかし、血小板から放出される成長因子と、医薬品として製造されたbFGFを外部から追加することは同一ではありません。
FGFは、その作用を治療に活用することが検討されている一方、使用方法や治療条件によって安全性への配慮が必要です。そのため、成分名だけで評価するのではなく、どのような目的で、どのような条件で使用する治療なのかを確認することが重要です。
PRPF療法とは?PRP+FGFの併用
美容医療では、患者自身の血液から調製したPRPにbFGFなどの成長因子を加えて注入する治療を、PRPF療法やPRP+FGF療法などと呼ぶことがあります。
PRPにはもともと複数の成長因子が含まれていますが、外部からFGFを加えることで、PRPによる組織修復作用にFGFの線維芽細胞増殖や血管新生などの作用を加え、より積極的な組織形成を期待する考え方があります。そのため、PRP単独とは異なる治療選択肢としてFGF添加PRPを検討する医師もいます。

ただし、PRPF療法やPRP+FGF療法という名称であっても、すべての医療機関で同じ治療が行われているわけではありません。PRPの作製方法やFGFの使用方法、投与部位・投与方法などが異なるため、導入時には自院で予定する治療内容を具体的に整理することが重要です。
PRPとFGFの違い・併用の特徴
PRPとFGFの違いを整理すると、大きなポイントは患者自身の血液から調製するPRPなのか、外部から加える医薬品成分なのかという点です。

もう一つ重要なのが、PRPにもFGFが含まれているという点です。PRP中の血小板から放出されるFGFと、医薬品としてbFGFを追加することが混同されると、治療内容やリスクの説明が分かりにくくなります。
医療機関側では、ホームページや同意説明文書でも「成長因子入りPRP」のような曖昧な表現だけで済ませるのではなく、自己血由来成分だけを使用するのか、外部から医薬品などを添加するのかを明確にすることが大切です。
PRPとFGF添加PRPの効果と特徴
PRPとFGFの効果を考える際は、PRP単独療法とFGF添加PRP療法を分けて確認することが重要です。
PRP単独では、血小板に含まれる複数の成長因子による組織修復作用を期待します。一方、FGF添加PRPでは、そこにFGFの線維芽細胞増殖や血管新生などの作用を加えることで、PRP単独とは異なる、より積極的な組織形成を期待して行われることがあります。
美容医療領域では、シワや顔面の陥凹、目の下のくぼみ、ほうれい線などに対して利用されてきた例があります。ヒアルロン酸などのフィラーのように注入した物質そのもので体積を補う治療とは異なり、周囲の組織形成を利用するという考え方が特徴です。
このように、PRP単独とは異なる治療効果を期待できる可能性があることが、FGF添加PRPを治療選択肢として検討する理由の一つです。ただし、効果の程度や持続期間は治療方法によって異なるため、一律に同じ結果が得られるわけではありません。

FGF添加PRPの導入時に確認したいポイント
FGF添加PRPを導入する際は、期待される効果だけでなく、注意すべきリスクや必要な手続きについても確認しておくことが大切です。ここでは、医療機関が導入を検討するうえで押さえておきたい基本的な注意点を整理します。
PRP再生医療の法律と提供計画
PRP治療を導入する場合、治療内容によっては再生医療等安全性確保法に基づく手続きが必要になります。自由診療であっても、医療機関の判断だけで開始できるとは限りません。
必要な手続きは治療内容によって異なり、再生医療等提供計画の作成や認定再生医療等委員会での審査などが必要になる場合があります。
FGF添加PRPについても、予定している治療内容を整理したうえで、どのような申請や手続きが必要になるのか事前に確認しておくことが大切です。

提供計画の作成で必要となる書類や実務については、PRP・幹細胞治療の再生医療等提供計画書の作成方法でも詳しく解説しています。
FGF添加PRPの導入相談事例
当センターがFGF添加PRPの治療設計やリスク理解を重視する背景には、実際の導入相談があります。特に印象に残っているのが、勤務先でFGF添加PRPを経験した医師から、独立・開業後も自院で治療を継続したいというご相談をいただいたケースです。
その医師は、作用機序や治療の特徴、想定されるリスクを理解したうえで導入を希望されていました。この相談をきっかけに、当センターでも関連論文や安全性情報、提供計画上の整理、認定再生医療等委員会での審査対応などを確認しながら導入支援を行ってきました。
この経験から、FGF添加PRPを単に広めるのではなく、作用・効果・リスクを理解し、患者へ十分に説明したうえで適切に治療できる医師の導入を支援することが重要だと考えています。
FGF添加PRPの申請・導入支援
当センターでは、FGF添加PRPの導入・申請支援実績があり、予定している治療内容を整理したうえで、再生医療等提供計画の作成や申請手続きを支援しています。FGF添加PRPの審査に対応した認定再生医療等委員会との対応経験もあります。

「何から確認すればよいか分からない」「現在の提供計画で対応できるのか」「新たな申請や変更が必要なのか」といった段階からでもご相談いただけます。
当センターは、「申請できるから導入を勧める」という考えではありません。
FGF添加PRPの効果とリスクを理解し、患者へ適切に説明したうえで導入を検討したい医療機関に対して、必要な手続きや導入までの流れを整理しながら支援しています。
FGF添加PRP導入前の確認項目
FGF添加PRPを検討する際は、最初から細かな治療設計や申請内容まですべて決めておく必要はありません。まずは、効果とリスクを理解したうえで、自院でどのような治療を行いたいのかを整理することが大切です。
- FGF添加PRPの効果とリスクを理解する
- 自院で行いたい治療内容を整理する
- 必要な提供計画や申請手続きを確認する
- 患者への説明やフォロー体制を整える
- 経験のある医師や専門家へ相談する
FGF添加PRPは、治療内容によって確認すべき点や必要な手続きが異なります。「興味はあるが、何から確認すればよいか分からない」という段階であっても、まずは必要な事項を整理してから導入の可否を検討することができます。
当センターでは治療手技そのものを指導するのではなく、FGF添加PRPの導入・申請支援を行っています。治療方法については経験のある医師等へ確認しながら、当センターでは提供計画や申請など、導入に必要な手続きを整理して支援します。
PRP+FGFの副作用と注意点
PRP治療では、注入部位の疼痛や腫れ、内出血などがみられることがあります。自己血を使用する治療ですが、採血や注入を伴う以上、医療行為としてのリスクがなくなるわけではありません。
PRPにbFGFを添加する場合には、しこりや硬結、膨隆などについても注意が必要です。PRP単独とFGF添加PRPでは治療内容が異なるため、安全性についても分けて考える必要があります。
なお、令和3年度改訂版の美容医療診療指針では、顔面のシワ・タルミに対するbFGF添加PRP療法について、「行わないことを弱く推奨(提案)する」とされています。これは、注入部の硬結や膨隆などの合併症報告があり、「bFGF(トラフェルミン)を添加した自家由来 PRP の注入療法は安易には勧められない」としています。
患者の状態や治療部位によっても適否は異なります。導入する場合は、こうしたリスクを理解し、患者への説明や治療後のフォローを含めた体制を整えておくことが大切です。
FGF添加PRPでしこりが生じる可能性
PRPとFGFを併用した治療では、注入部のしこりや硬結、過剰な膨隆などが報告されています。
bFGFは細胞増殖や組織修復に関係する成長因子ですが、治療条件や患者ごとの反応によって、想定以上の組織反応が生じる可能性があります。そのため、FGFの添加量だけでリスクを判断することはできません。
医療機関では、こうしたリスクについて患者へ十分に説明するとともに、万が一症状が生じた場合に適切に対応できる体制を整えておくことが大切です。
PRP FGF導入で押さえたい要点
FGF添加PRPは、期待される効果がある一方で、治療内容や患者の状態によっては注意すべきリスクもあります。FGFの添加量だけで判断するのではなく、効果とリスクの両方を理解したうえで導入を検討することが大切です。
当センターでは、FGF添加PRPを一律に推奨しているわけではありません。治療内容を理解し、患者へ十分に説明したうえで導入を検討する医療機関を支援しています。
「FGF添加PRPに興味はあるが、何から確認すればよいか分からない」という段階でもご相談いただけます。治療内容の整理から再生医療等提供計画の作成、申請手続き、認定再生医療等委員会への対応まで、導入に必要な流れを整理しながら支援します。
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