スクラムマーケティングとは?競合しない医療機関同士で集患力を高める広報連携の仕組み

スクラムマーケティングとは?競合しない医療機関同士が手を組み、集患力を高め合う広報連携の仕組み

集患に力を入れているつもりでも、広告費をかけ続けなければ反響が続かない、競合クリニックが増えて予約が思うように埋まらない——そうした悩みを抱える院長・クリニック経営者の方は少なくありません。

今回は、医師・クリニック経営者向けのお役立ち情報として、患者さんの「競合」がない医療機関同士で広報・集患活動を協力し合う「スクラムマーケティング」という仕組みをご紹介します。

従来の広告中心の集患対策との違いや、SNSを活用した相互協力の仕組み、導入のメリットと確認しておきたい点を整理しますので、今後の集患対策を見直す際の参考にしてください。

目次

競合は増え続け、患者は減り続ける──集患対策の現状

医師数・医療施設数の増加と日本の人口減少を示す統計グラフ

日本の医師数は1982年の167,000人から2022年には340,000人へと、40年連続で増加しています。医療施設数も1997年の160,000施設から2022年には180,000施設へ、25年連続で増加しました。

一方で日本の人口は、2000年の1億2,700万人から、総務省の推計では2050年に9,500万人まで減少するとされています。医療機関の数が増え続ける一方、患者となりうる人口そのものは減っていく——この構造が、今後30年間にわたって集患の競争を一段と厳しくしていく要因になります。

クリニックの4つの課題(売上UP・集患対策・人材戦略・コスト削減)

「売上をもっと伸ばしたい」「集患対策を強化したい」「人材採用がうまくいかない」「コストを削減したい」——こうした課題は、どれもこの競争環境の変化と無関係ではありません。次に説明する考え方は、これら4つの課題に共通する処方箋のひとつになります。

「いますぐ患者」と「そのうち患者」という考え方

集患対策を考えるうえで押さえておきたいのが、患者さんを2つの層に分けて考える視点です。

  • いますぐ患者:症状が顕在化していて、今すぐに受診をしたい患者さん
  • そのうち患者:現在症状はないが、未来に受診する可能性のある患者さん
いますぐ患者とそのうち患者への対策の違いを示す図

広告・SEO対策・MEO対策は、主に「いますぐ患者」に向けたアプローチです。ただしこの層は、検索結果に多数の医療機関が並ぶ競合の多い市場でもあります。

「いますぐ患者」への対策だけでは、少ないパイを競合医療機関と奪い合う構図になりがちです。そのうち患者の段階からSNSなどで接点を持ち、いざ症状が出たときに最初に思い出してもらえる医療機関になっておくことが、中長期的な集患対策の考え方として重要になります。

SNSマーケティングの2つの特性「資産性」と「拡散性」

特性①:資産性

広告

予算を100→0にすると、
効果も100→0になる

SNS

予算を100→0にしても、
効果は100→100を保つ

広告は、投稿を止める=予算をゼロにすると、効果もゼロに近づきます。これに対してSNSは、運用をやめても過去の投稿やフォロワーという形で蓄積が残り、効果がゼロに戻りにくいという特性があります。SNSでの発信を積み重ねることは、医療機関にとって長期的な「資産」を築く活動だといえます。

特性②:拡散性

SNS投稿が拡散して認知獲得につながる流れを示す図

医療機関の公式SNSアカウントが投稿すると、フォロワーなどのSNSユーザーが「いいね」「リポスト」「シェア」「コメント」といった反応を返し、その輪がさらに広いターゲット層へと伝わっていきます。最終的には認知獲得・好意度向上・信頼獲得、そして受診を考える際に最初に思い浮かぶ「第一想起」の獲得につながる、という流れです。

この「拡散性」をさらに発展させた仕組みが、次に説明する「スクラムマーケティング」です。

医療機関相互連携「スクラムマーケティング」とは

患者さんの競合がない医療機関同士が、SNSでの発信を互いにリポスト・いいね・シェア・コメントし合うことで、単独で運用するよりも大きな発信力を生み出す仕組みです。

スクラムマーケティングの仕組み(東京での例)を示す図

自院の発信力が、協力する医療機関の数だけ掛け算的に広がっていくイメージです。図のように、ある診療科のクリニックが、別の地域・別の診療科の医療機関2〜3院とSNS上で相互協力することで、それぞれの医療機関のフォロワー層にまで発信が届くようになります。

協力できる組み合わせの条件

協力し合える医療機関の組み合わせには、次の2パターンがあります。

同一地域内・異なる診療科での協力例(東京都江東区の例)

同一地域でも、診療科が違えば協力可能です。例えば東京都江東区内であれば、眼科クリニックと整形外科クリニックのように、診療科が異なれば連携できます。同じ地域内でも、同一診療科同士(患者さんが競合する組み合わせ)は対象外です。

同一診療科・異なる地域での協力例(眼科の例)

同一診療科でも、地域が違えば協力可能です。例えば東京都品川区の眼科クリニックと、大阪府大阪市・熊本県熊本市の眼科クリニックのように、地域が異なれば同じ診療科同士でも連携できます。いずれの場合も、患者さんが競合しない組み合わせであることが前提です。

協力の輪が全国に広がると

スクラムマーケティングの仕組み(全国での例)を示す図

協力する医療機関が増えるほど、発信力はさらに高まっていきます。東京都内だけでなく、札幌・福岡・広島・松山など全国の医療機関同士がSNSで相互協力することで、1院単独では届かない規模の認知拡大が期待できます。

全国の医療機関同士がSNSで繋がるネットワークイメージ図

1地域1診療科のみが対象

このサービスは1つの地域ごとに1つの診療科のみが対象です。一度支援が始まると、その地域・診療科において、患者さんが競合する他の医療機関への営業・サービス提供は行われない仕組みになっています。そのため、導入を検討する際は、自院の地域・診療科での対象枠がまだ空いているかを早めに確認しておく必要があります。

導入するとどう変わるか

スクラムマーケティングの主な特徴は次のとおりです。

  • 完全委任型の運用:SNSアカウントの投稿・相互協力の調整などは運用会社側で行うため、院内のリソース負担はほとんどかかりません。
  • SNS未運用からでも参加可能:現時点でX(旧Twitter)やInstagram、noteなどのアカウントを持っていなくても、アカウント開設からサポートを受けられます。
  • 協力の輪が広がりやすい:単独でSNS運用するよりも、複数の医療機関が互いに発信を拡散し合うことで、認知が広がるスピードが上がりやすくなります。

一方で、SNSは広告と違って効果が出るまでに一定の運用期間が必要な施策です。即効性のある集患対策というより、中長期的な「資産」として育てていく位置づけで検討するとよいでしょう。

スクラムマーケティングに関するよくある質問

Q1.自院にSNSアカウントが無くても参加できますか?

参加可能です。アカウントの開設から運用会社がサポートする形になるため、現時点で未運用でも検討できます。

Q2.院内のリソース(人手)は必要ですか?

基本的に完全委任型の運用となるため、業務負荷はほとんどかかりません。投稿内容の確認など、最小限のやり取りは必要になる場合があります。

Q3.費用はどれくらいかかりますか?

現在のSNS・WEB運用状況によって異なります。自院のアカウント開設状況や目指す発信内容を踏まえて、個別に見積もりを確認する流れになります。

Q4.自院の地域・診療科がすでに対象枠を使われていたらどうなりますか?

1つの地域につき1つの診療科のみが対象のサービスのため、すでに同じ地域・同じ診療科で導入済みの医療機関がある場合は、新規の参加が難しい可能性があります。早めに空き状況を確認することをおすすめします。

スクラムマーケティングにご興味のある方へ

スクラムマーケティングは、広告だけに頼らず、競合しない医療機関同士が協力し合うことで発信力を高めていく、比較的新しい集患対策の考え方です。従来の「いますぐ患者」向け施策に加えて、「そのうち患者」との接点を中長期的に作っていきたいとお考えの医療機関にとって、選択肢の一つになります。

当センターでは、医療機関の集患対策・経営改善に関するお役立ち情報をお届けしています。スクラムマーケティングは弊所の連携先であるスクラムエディター株式会社が提供するサービスであり、お問い合わせ内容に応じて同社をご紹介します。

スクラムマーケティングの詳細や、自院の地域・診療科での対象枠についてご興味がある方は、お問い合わせください。

お問合せ・ご相談はこちら

本記事はスクラムエディター株式会社の公開情報(https://scrum-editor.co.jp/scrum/、2026年11月5日時点)をもとに作成しています。図版は同社ウェブサイトに掲載のものを使用しています。記載内容は同社サービスの仕組みを説明するものであり、集患効果を保証するものではありません。導入条件・費用等の詳細は、お問い合わせのうえ直接ご確認ください。

医療機関向けお役立ち情報一覧はこちら

泉山秀和
再生医療導入コンサルタント、(厚労省認定)再生医療審査委員会委員メンバー
再生医療導入の専門コンサルタントとして、PRP療法・幹細胞治療・免疫細胞療法など、全国で延べ150件以上の申請サポートに携わり、医療機関の皆様をご支援しております。
新たな治療法の導入にも全力で取り組んでおり、難易度の高い案件ほど、当センターの幅を広げる好機と考えております。
ぜひご相談ください。
目次